- 2023.09.19
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其の十七彫目
其の十七彫目
「彫り師の給与体系と運営手法」
さて今回は少し踏み込んだ内容ですので、多少ぼかしながら話していきたいと思います。
多分みなさんは彫り師の給与体系などは興味はありながらも聞きたくても聞けない禁断のエリアのような気がいたします。
閉鎖的な業界でありますが、SNS等が発達してタトゥー業界の情報は多少はみなさんにも入ってくる時代にはなっているとは思いますが誰もほぼ本音は言っておりませんね〜。
昨今これだけ増えているタトゥースタジオなのでその辺の事情を話すのもそろそろアリだと思います。
もちろんいつもながら自分の独断と偏見の内容なのでご了承くださいませ〜。
さてさて、スタイルで言えば完全な個人経営のスタジオ体系、、、、
オーナーがおりながらもスタジオ内の一角で一定額を支払い間借りするスタジオ体系、、、、、、
オーナーがおり彫り師さんを雇うスタジオ体系、、、、、、、、
ざっくり言えばこんな感じでしょうか、、、、
またオーナーが彫り師でない場合もあります。
もちろん見習い彫り師さんは上記の項目には当てはまっていないという前提でお話しいたします。
個人経営のスタジオは単純に月商から家賃、電気代、消耗品などなどの固定費を引いた額が月収になります。
スタジオを間借りするスタイルではこれまた一概には言えませんが、間借り代と電気代等を少し負担するなどなどが挙げられます。
そして多数の彫り師さんがおられる激戦区スタジオはまた特殊で経営戦略が上手いです。
HP制作にも多額の費用を投入しており宣伝手法にも抜かりがないイメージですね。
人口密集地の激戦区ではそれだけ需要がありますので、供給量[彫り師]をどれだけ増やすか?が課題であり=優れた彫り師の確保が重要になってきます。
スタジオ側はタトゥーテクニックのノウハウを教えてお客さんを安定してまわす代わりにロイヤリティを得ます。
これはどの業界でも同じ事ですね。
「テクニックを教えてもらってお店のお客さんも囲ってすぐ独立します」では筋が通らないのでよく揉めたりするのはどの業界などもあるあるネタではございます、、、、、、
激戦区での彫り師兼オーナーとは芸能人や有名人などを顧客に持ち、メディア媒体などにも顔を売りインフルエンサーのような方々に宣伝を手伝ってもらいます。
実際タトゥースキル、テクニックも素晴らしい方々が多いです。
さすれば必然的にお客さんも多くやってきますが、身体は一つ、、、、、、、
施術出来る仕事の時間は限られ、収入は一定レベル以上は必ず上がらない法則が生まれます。
その辺を理解しているからこそ多数の彫り師さんを雇うスタイルで回転数を上げ利益を上げる手法が生まれます。
こういう流れを作れば、オーナー自身が矢面にそれほど立たずに経営が成り立ちます。
もちろんオーナーさんはタトゥーテクニックは上手い方が殆どですが、あえて顧客を多く取らず予約を取りづらい状況にして自身のブランド価値を高める、さすればそのスタジオのスタッフ達に仕事が多く回る、、、こんな感じですかね〜。
これは最近よくある手法で、ある程度の歳を重ねたベテラン彫り師さんにはあまり理解し難い戦略方法なので、ワタクシ自身は否定は致しませんが、、、、、時代の流れなんでなんともね〜、、、、
上記のスタジオオーナーさん達は大体30代〜40代前半のオーナー彫り師さんが多いイメージですかね〜、、、、
事実こういった手法はお金にはなります。
在籍彫り師さんは、そのスタジオの看板名でお客さんを回して頂いている場合が殆どです。
なのでその分のロイヤリティを支払う義務が生じます。
これはオーナーとの関係性にもよるので一概には言えませんが「約3割から約5割以上」を支払う仕組みになっていると思われます。
在籍している彫り師さんでも有名な方々もいらっしゃるので例外もあり、スタジオによってはインセンティブ「成果報酬」などがある場合もあります。
ロイヤリティは高いがグローブやインクカップなどの使い捨て消耗品はすべてスタジオ側に用意してもらえる場合もあれば、ロイヤリティは低いが使い捨て消耗品はすべて自分持ちというケースもあり、どちらがいいと一概に言えません。
宣伝や固定費、トラブルなどはスタジオ側に任せればいいので楽ではあります。
しかし独立を考えた時、ただ彫ってばかりいたではお客さんはあまり付きません、、、
個人のスタジオはそこにコミュニケーション能力がより必要になり、お客さんに贔屓にして頂ける人格も必要になります。
様々な理不尽なトラブルに己で対処してきたかが人間的に成長させるものと考えます。
そういった方々は職業関係なく内から不思議な魅力が出ます。
そうしてお客さんがたくさん来て頂けるようになると考えますね〜。
余談ですが「食える彫り師」は自分を含めだいたい変態です。
良くも悪くもまともな「食える彫り師」を自分は見たことがありませんね。
この業界で生き残るという事は悲しいですがそういうものです、、、、、、必然となってしまうのです、、、、
なので「彫り師を見たら変態と思え」という文言で締め括らせて頂きたいと思います。
次回其の十八彫目は「過去と現在の客層の違い」でございます〜。
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